
効果的な緩衝設計は?目的と見直しのポイントを解説
自社製品を郵送する際、安心・安全に届けるためには梱包材は欠かせません。この記事では、効率的な梱包作業の方法や緩衝設計のポイントについて解説します。梱包を変えるだけで、コストや物流過程、品質のキープなどが改善できるかもしれません。
最後には梱包材の代替品として、プラダンについても紹介します。自社の梱包を改善したい方は、ぜひ最後までお読みください。
緩衝設計の見直しが必要な理由
緩衝設計とは、製品を箱や袋に入れる際、中身の品質をキープしたまま収納・輸送するための設計です。この設計が効果的にできていると、さまざまな効果を期待できます。
たとえば、製品の破損を防止する役割を果たします。各製品は大きさや重さがバラバラなので、ただ段ボールに入れただけでは中で移動して破損してしまうリスクが高いです。しかし、緩衝設計によって商品がしっかりと固定された状態で運ばれると破損リスクを防ぐことができます。外部からの衝撃によるひび割れだけでなく、湿度や湿気などから保護できるかどうかも重要なポイントです。
物流工程を簡潔化できることも大きなメリットといえます。設計を考える際に、商品を丁寧に梱包できればいいというわけではありません。梱包に必要な段ボールや緩衝材がかさばる場合、在庫のコストやスペースも考慮する必要があります。適切な緩衝設計によって、商品の保護だけでなく物流工程を簡素化も期待できます。
昨今、企業にも消費者にもSDGsへの取り組みが求められています。とくに企業はSDGsに対する取り組みができていないだけで、消費者や株主からの評価は下がってしまうリスクもあるでしょう。緩衝材を減らしたり、再生可能なものを使用したりすることで、環境への配慮にもつながります。廃材の処理コストも抑えらえるので、エコな緩衝設計は企業にとっても大きなメリットとなります。
緩衝設計ができていないと、梱包に必要な箱や袋、緩衝材に対して無駄なコストをかけてしまうでしょう。たとえば商品サイズに対して大きすぎる段ボールを使用すると、余計な緩衝材やスペース、郵送費がかかります。また、外部の衝撃によって商品が破損すると、修理費や交換費用も必要になるでしょう。適切な輸送コストに抑えるためにも、緩衝設計は必要不可欠です。
緩衝設計の目的とポイント
緩衝設計の目的は、主に5つに分けることができます。たとえば製品を外部の衝撃から守ってくれます。適切な梱包は、中身の品質・安全を守りながら輸送することが可能です。無駄なコストを削減することもできます。過剰包装を防ぎつつ必要最低限の材料・工程での設計ができると、無駄なコストの削減にもつながるのです。
梱包によって企業ブランドの信頼やイメージを向上させることもできます。丁寧な梱包は企業のブランドにも影響するものです。いつでも製品を美しいまま運んでくれる企業というイメージになれば、ユーザーは信頼して企業を利用してくれやすくなります。
梱包材の選定方法
機能性やコストだけでなく、顧客目線のイメージからも緩衝設計を心がけましょう。代表的な梱包材として、発泡スチロールやエアーキャップ、エアークッション、バラ緩衝材、紙製緩衝材などが挙げられます。
選定の際には、素材やメリット・特徴などを考慮する必要があります。発泡スチロールは商品の形に応じて成形できるうえに軽い素材なので、デリケートな電化製品などの梱包におすすめです。ただし、製造コストが高くなる傾向にあります。
廃棄処理の手間を省きたい場合はエアークッションや紙製緩衝材がおすすめです。一方で、しっかり固定できるという点では発泡スチロールのほうが向いているでしょう。商品の重さや湿度・湿気に対する耐久性などから、緩衝材を選ぶことをおすすめします。
適正な包装は?コストダウンのポイント
梱包は過剰包装では無駄なコストや手間が発生する一方で、梱包材が少ないと商品がダメージを受けるというリスクもあります。包装のコストを下げるには、適切な資材を使っているか、軽量化できないか、最安値の発注方法かの3点に注意しましょう。
適切な資材かどうかは、サイズや構造などから考慮できます。たとえば大きすぎるサイズの段ボールに製品を入れると、隙間を埋めるために多くの緩衝材を用意しなければなりません。
そのほかにも、4枚の面を組み合わせてフタをする段ボールより、1面でフタができる段ボールを使ったほうがコストも作業工程もカットできます。使用している資材が適切かどうか、一度チェックしましょう。
輸送物は重くなるほど同じサイズでも料金が高くなります。製品そのものの重さだけでなく、緩衝材の質量が原因で輸送コストが高くなっていないか確認しましょう。軽い素材の緩衝材を使う以外にも、発注時のロット数でコストを抑えられる可能性もあります。
プラダンを使用するメリット
梱包材の使用でメリットを感じられない場合、プラダンへの移行がおすすめです。プラダンとはプラスチック段ボールのことで、ポリプロピレン樹脂から作られています。プラダンにはさまざまなメリットがあります。
たとえば、断面は中空構造になっているため、普通の段ボールと比べても素材が軽いという特徴があります。軽いだけでなく耐久性や耐水・断熱などにも優れているため、さまざまな製品の輸送に適しています。
使い捨てでなく何度でも利用できるため、買い足しや廃棄のコストもかかりません。紙の段ボールと比べると単価は高いですが、何度も使う場合はプラダンのほうが経済的です。梱包資材のコストを抑えたい企業は、ぜひプラダンの使用を検討しましょう。
使用するたびに廃棄する必要が無いため、環境にも優しいです。経年劣化で梱包資材として使えなくなった場合も、養生シートとして再利用できるので、環境的にも経済的にもメリットが大きいです。
緩衝設計における業務効率化のポイント
最後に、緩衝設計における業務効率化のポイントについて解説します。業務効率化のためには、ここで説明するポイントに注意しましょう。
まず、人員や労働時間を減らす工夫ができないか検討しましょう。業務内容が不適切・不用意であれば、梱包資材にかかわらず無駄なコストが発生してしまいます。現在使っている梱包資材の機能やコスパがイマイチであれば、別のものへの変更もひとつの手段です。
そのほかにも、梱包作業の台が高すぎて作業員の負担になっていないか、商品の入れ忘れが発生しやすい環境になっていないかなど、作業環境についても見直すことをおすすめします。
まとめ
この記事では、効率的な梱包作業の方法や緩衝設計のポイントについて解説しました。適切な緩衝設計ができていると、中身の品質をキープできるうえに、作業やコストの効率化も図れます。
緩衝材は素材によってメリットや特徴が異なるので、製品や工程に応じてぴったりなものを選びましょう。梱包資材のコストや保管スペースをカットしたい場合は、プラダンの活用がおすすめです。耐久性がいい点やリサイクルできる点など、さまざまなメリットがありますよ。
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